地頭町中世墳墓窟群

昭和54年に石川県指定文化財に指定された武士の墓。  

 

徳山モータースの敷地の奥にあります。

昭和48年に会社の敷地造成のため

土砂を取り除いて発見したそうです。

 

 見えるのは1〜4号窟ですが、左に5号窟、

ずーーっと右に6,7号窟があります。

 

 

四角く彫った窟の中に五輪塔が納入されている。

その奥にいくつかの人骨も発見されたそうだ。

 開口する7基のうち、1号〜5号窟の5基が標高9メートル前後の位置に並列する。様式はいずれも方形窟で、入り口の上方に妻入り屋根形を彫出し、雨水が左右に流れるように配慮した実用面と、墳墓堂としての荘厳性を具備する。窟内床面の周囲に排水溝を設け入り口下部に刻出した長押状の下方に排水口が穿たれている。納入遺物は1・2・3号窟に五輪塔、4号窟には宝篋印塔(ほうきょういんとう)が造立される。造立年代は造形や梵字の彫技から室町時代前期〜中期頃と思われる。

 1号窟から約60メートル離れた海岸寄りに6号窟、その中間の上方で標高約20メートルの位置に7号窟があり、6号窟に五輪塔陽刻板碑、7号窟に方錐型板碑が納入されている。

 この様式の墳墓窟は通称「やぐら」と呼ばれ、主に武士の墓として中世の鎌倉地方に盛行した特殊な墓制で北陸地方で他に類例を見ない貴重な遺構である。   (説明書きより)

 

二号窟の五輪塔

高さ23cm、最大径29cm

正面中央に金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫りし、周りに円相を添えている。

五輪塔は、上から宝珠形=空輪、半月形=風輪、三角形(または笠形、屋根形)=火輪、円形=水輪、方形=地輪によって構成され、古代インドにおいて宇宙の構成要素・元素と考えられた五大を象徴する。

 

6号窟の方錐型板碑

高さ68cm、幅29cm、厚さ12cm

表面に高さ64cmの五輪塔を浮彫りにし、中央に種子「バン」を薬彫りしている。

種子(しゅじ)とは密教において、仏尊を象徴する一音節の呪文(真言)。??(バン)は金剛界大日如来を象徴する。

 

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