監査役の覚悟

 

著者   
高桑幸一     元北陸電力常勤監査役
加藤裕則     朝日新聞社記者
青井太郎(仮名) 上場企業の常勤監査役
別府庄之助    伊藤忠商事株式会社知事、公認内部監査人
板垣隆夫     一般社団法人監査懇話会理事
高須和之     ケルビム法律事務所所長、弁護士
古川孝宏     一般社団法人監査懇話会委員

 

発行 同文館出版 (2016-06-20出版) :\1900(+税)

 

 

内容紹介「AMAZON」より

社長独裁による数々の企業不祥事が起きている。
責任や権限が強化される中で、監査役には一体何ができるのか?
一人の監査役が会社と戦った実際の事件をもとに、建前と実態が乖離する監査役について、そのあるべき姿を考える。

内容(「BOOK」データベースより)

監査役として…企業人として…人として…あなたならどうしますか?自身の会社と闘うことになつたひとりの監査役の行動をもとに、揺れる制度の中、監査役としてのあるべき姿を考える!!

 

 [感想]

 2006年3月15日に志賀原子力発電所2号機が運転を開始した。
 約500万KW規模の北陸電力に135万KWの設備が入ってくるのは、大きな財産である一方、大きなリスクになりうる。
 運転開始9日後の3月24日に運転差し止め訴訟が原告勝訴となった。
 さらに2007年3月15日に、1号機で1999年6月に臨界事故が発生していた事が社内調査で発覚し、原子力安全保安院より停止命令を受けて停止した。
 追い打ちをかけるように、3月25日にマグニチュード6.9の地震が能登半島を襲った。
 私は、原子力関係に勤務したことがなかったが、原子力関係職員の士気向上とコンプライアンスの徹底、および地震対策の強化のため、家族とともに志賀町に赴任した。
 隠さない風土づくりを徹底し、設備対策も終えて、なんとか地域にも信用頂けるようになり、ようやく2台とも稼働することが出来て、富山に戻ることになった。
 すると、監査役を仰せつかることになった。コンプライアンスの全社への徹底を行うべく一から勉強した。
 しかし、東北地方で未曽有の大地震が発生し、今度は日本中の原子力発電所が停止した。
 さらに、オリンパス、東芝などの不祥事が続いています。
 経営を行うものも、経営を監視する者も、覚悟をもって対処していくことが、永遠に求められているのでしょう。